建設業向け原価管理最新事例紹介「原価把握のスピードアップ」

札幌
2016/12/12

2016年10月18日に開催いたしました建設業向け 原価管理最新事例紹介「原価把握のスピードアップ」セミナーについてレポートいたします。

建設業向け原価管理事例紹介「原価把握のスピードアップ」

【目次】
◆PROCES.S現場原価システムの特徴
 -これまでの課題
 -PROCES.S概要
 -作業の流れ
◆事例1:日報管理
 -従来の課題点
 -構築のポイント
 -日報入力の流れ
 -導入効果
◆事例1:現場請求書入力
 -従来の課題点
 -構築のポイント
 -システムの流れ
 -現場請求書入力
 -導入効果
◆システム稼動までの留意点

「建設業ERPシステムPROCES.S」の導入事例の中から現場の負荷を抑え、より迅速な原価把握の実現を目指しているお客様の最新事例をご紹介致します。

【PROCES.S現場原価システムの特徴】

これまでの課題

 今まで基幹システムと現場の原価管理の連動を試みることは有りましたが、次のような問題点によりご提供できていませんでした。
 第一は連動するための通信手段が無いということ。今はインターネットが普及して可能となっていますが、当初は回線費用が高額であったり、速度が遅いという問題がございました。
 第二に、建築と土木の部門の運用が違うために統一が困難だったこと。さらに管理側は支払ベースで管理し、現場側は発生ベースで管理するので、統一するとしても原価の把握が遅くなるということがありました。また、現場側は工種・細目という考え方で、会計側は要素・費目の管理ということで、統一するメリットが少ないく、Excelの運用のほうが融通が利いて使いやすいということも進まない要因として挙げられます。

PROCES.S現場原価管理の概要

 私どもとしてはシステムを提供する上で一番大事なポイントは現場の負担を抑えることだと考えます。そのためには基幹システムと現場システムの連動による効率化が必須です。
 基幹と現場のシステムが連動することのメリットはマスターの共有化です。これまでバラバラになっていた工事マスターや取引先マスター、要素・費目などを一元化することにより、現場で入力されたデータをすぐに管理側で確認するといったリアルタイムで情報の共有ができます。また、現場側の入力作業と管理側の作業の分担を決めて分散入力することで、現場の負担を減らしていくことも可能となります。

 

作業の流れ

作業の流れを簡単にご説明します。
 まず案件の入力、工事登録が基本になります。工事登録をしますと、現業部門では工事データを元に実行予算を作成します。マスターも共有ですからそのまま利用できます。場合によっては積算のデータも取り込むことができます。それを元に発注の稟議書を作成します。このデータが承認されて管理側の注文書の発行となります。この発注データを元に現場で外注の出来高査定を行い、発注以外の請求書は基本的には現場でデータを入れていく形です。

 会計側では、電話代、水道代などの経費伝票もしくは社内の振替伝票を入れていただけば、現場のほうに現場経費として反映されます。それを元に今後の支出関係の情報を入れていきます。これは入力したら即時に原価が反映されます。ただし現場から入力したデータは会計側が承認しないと仕訳データには反映されませんので、チェックが終わった段階で請求書に仕訳という形になっています。あとは支払いのほうへまわるという流れです。

事例1:日報管理

 事例の1つ目は、日報管理という形でお使いいただいている事例です。PROCES.Sは出来高の査定、外注管理なども含めて月次ベースで捉えた仕組みになっていますが、これからご紹介する事例は日報ベースで運用出来るようカスタマイズした事例です。
 土木主体の会社で、月次での原価計算では遅いということで、日次の管理もしくは月の途中での管理をすることによって、原価の把握を早くしたいということで導入いただきました。

従来の課題点

 従来の課題として、原価管理のシステムは導入していましたが、パッケージソフトのため自社の仕組みに合わせた運用ができず本格的な利用に至っていませんでした。また、個別の工事の管理はできるが、会社として全体の業績を見るときには月次で待たなくてはいけませんでした。

 基幹システムとの重複入力作業もあり現場に日々負荷がかかっている中で、基幹システムと原価管理を連携させることにより効率的な管理が実現するのではないかとの期待がありご提案いたしました。元々基幹システムはPROCES.Sをお使いいただいていたので、バージョンアップに併せて原価管理連携を導入して頂きました。

構築のポイント

 現場の担当者が使いやすいということが構築のポイントでした。実行予算は積算データから取り込み手間を省き、日報入力は1画面に納めできるだけシンプルにし、実行予算と連動することにより使いやすさを重視したものとしました。
 担当者の負荷を抑える運用としては、案件が発生した段階で登録されたデータが工事マスターなどに反映されますので二重入力を削減します。また、見積依頼から購買要求書の連携、さらにワークフローによって現場での決済がスピードアップ。さらに、日報で必要となるマスターは管理側でメンテナンスすることにより、現場には負荷がかからないような運用といたしました。

日報入力の流れ

 工事登録から始まって実行予算を作ります。積算データの取り込みもできます。
 今回強調したいところは日報の管理です。日々の日報入力は大きく4項目あり、1つは作業員の情報、もう1点は材料関係、3点目が機械、さらに外注の4つが、1画面で行えるようになっています。
 日報入力の作業関係のデータは、PROCES.Sの労賃・給与関係の情報に反映され、賃金計算などに連動する仕組みになっています。材料に関しては納品書ベースで入力し、この情報がそのまま請求書の情報につながります。機械関係は自社の機械に関しては単価などの機械の損料がありますので、機材マスターとの連動によって損料の仕訳に連動しています。外注では日々入力することによって出来高査定までの積み上げになっていて、出来高査定をしやすい形になっています。

 左側には実行予算ツリーがあります。黒いマークは、この工種はもう終わったという完了のマークです。
 まず実行予算をベースにして入力していきます。たとえば今日どの工種をやったかということで、工種を選択します。今日どこまでやったという出来高の数量、もしくは%での進捗率で入力します。すると本日の出来高に対して累計出来高が表示されます。
 原価は入れたデータがそのまま反映されて、進捗率に対する原価が表示されます。
 下は、費目での出来高予算に対して原価がどうなってるかが表示されます。ここで出来高が比率に対して原価がいくらあって損益がいくらという形でわかるようになっています。現場の方が日々日報を入力しながら、現在の原価がどうなっているか把握しながら管理できるところがポイントです。
 原価は作業日報、材料日報、機械日報、外注日報という4つのタブから選択して入力します。

 作業日報は作業員もしくは外注労務の方の入力ができます。労務の方が誰が何時から何時まで仕事をしたという情報を入れます。原価管理上歩掛の把握もしたいので、どこの工種で何時間やったかまで入力します。

 次に材料日報です。材料の場合はまず納入があります。納入数と使用数は違いますので納入数量と使用数量と分けて入力するようになっています。納入が3回、4回に分ける場合もありますから、1回の納入だけでなくて累計でどれだけあるかがわかるようになっています。使用量も本日までに使った分と現在の残数が表示されます。

 機械日報は自社の場合と外注の場合もありますので、それぞれで入れていただきます。工種別に入れていくことで各工種の原価管理までつながっていきます。外注に関しても同じように、外注先に対して注文金額との連動があり、注文金額に対して今回の出来高を入れ、それが積み上がって月の合計になり、請求書とのチェックや出来高査定をしていきます。
 このような形で、情報の入力をできるだけ原価をとらえながら入れていく形をとっています。

導入効果

 導入効果としては、月次ベースから日次ベースへの把握が可能になることで、経営のスピードアップにつながりました。また、歩掛の把握も可能となり実行予算の精度が高まるとともに、このような仕組みを組織として統一することによって、自社のノウハウを強化してこれからの厳しい時代に向けて備えて行くことが可能となります。また、現場側と管理側が分散して担当者の負荷を抑えて運用が可能なところも大きなメリットとして挙げられます。

 

事例2:現場請求書入力

 続いて2つ目の事例、現場請求書入力です。こちらのお客様は業種としては建築・土木の両方をされています。
 基幹システムはPROCES.Sをご利用いただいており、もともと現場側のシステムをAccessベースで自社開発して別々に運用されていましたが、統一したいというお話をいただいて、システムを構築させていただきました。

従来の課題点

 従来の問題点としては、事例1と同じようにマスター登録を別々に行っているので統一されておらず、現場で入力したデータを紙で出力して会計側で再入力するため、内容を1字1句チェックしなければならず、かなりの手間となっておりました。

構築のポイント

 システム構築のポイントとしては、現場の担当者の方の使いやすさを追求したということです。それまでの画面がシンプルなものでしたので、それをなるべく生かしながら、できるだけ違和感なく運用できることを考慮しました。またWebシステムですので、ソフトのインストールも不要となり、プログラムのメンテナンスは非常に楽になっています。
 入力に関しては、システムの連携により基幹側で実行予算の情報を登録し、現場側ではそのデータを元に請求データを入力することにより負担を軽減します。逆に現場で入力したデータはすべて現場原価に反映しますので、会計側はチェックして問題なければ仕訳データに一括して変換できますので管理部門の負担も削減できます。

システムの流れ

 まず管理側で工事登録して、実行予算、注文書を入力します。積算、実行予算、発注稟議書はExcelなどで作られていて、その情報を管理側で入力します。現業側では、そのデータを元に出来高の入力、契約外の請求書入力や今後支出を入力し、データとしては未承認ですが、すぐに原価管理データとして反映されます。現場経費関係は管理側で財務データとして入力され、そのまま現場のデータにも反映されます。未承認の現場データは会計側が承認した上で取り込み、支払いまで流れていきます。

 

現場請求書入力

 

 画面はシンプルで分かりやすいものとなっています。上の部分が工事の情報で、部門、発注者、契約金額、工期などが表示されます。
 下が入力部分で、まず業者を入れ、行ごとに工種、費目、今回出来高を入力することにより、最終的にこの業者の契約金額、累計の出来高、契約残額などが表示されます。立替や保留金もここで処理するようになっています。

 

 こちらは今後支出入力です。工種ごとに実行予算に対して発注額、出来高、注文残がわかり、今後の支出見込はこれだけになるという情報を入れていただく欄です。それによって最終的な予測が表示されます。原価は入力したらすぐに反映される形になりますので常に最新の情報が手に入ります。
 また「Excel出力」というボタンを押すと、その帳票系が出力されます。現場で必要な帳票はいろいろと会社で決められた帳票があると思いますので、このExcel出力を活用することにより自由に欲しい資料が作成できます。

導入効果

 このお客様は、基幹と現場が連動したことによって経営のスピードがアップしたとのことでした。特に現場担当者にとって、マスタの共有化の恩恵は大きく、導入前の課題であった請求書の二重入力も不要となり作業時間が大幅に短縮されました。

 

システム稼動までの留意点

 今回2つの事例をご紹介させていただきました。私どもとしましては、常に最適なシステムのご提案を心がけていますが、それでもご導入頂くお客様にとっては不安はつきものです。これからシステムを検討いただくうえで、留意していただきたい点を何点かお伝えいたします。
 やはり皆さんが最も気にされているのは現場の負担だと思います。現場の担当者の負担を軽減する運用には全社で取り組んで頂くことが大事です。役割分担を明確にし、それによってお互いのメリットを活かしていくことが重要ではないかと思います。
 また、不慣れなシステムの導入に際し、若い方は結構すんなり適応できますが、ベテランの技術者はどちらかというとIT関係に苦手な方もいらっしゃるかと思います。仕事に支障が出ることもありますので、入力を一部サポートしてあげることで全社運用の徹底が可能にかるかと思われます。
 そしてシステム稼動までは無理のない工期で計画することが大事です。現場のほうは急に仕事が入ってくるとどうしても打ち合わせに参加できないという現象が出てきます。無理のない工期、特にテスト期間は十分に取ったほうが本稼動においては問題なく進行できます。
 最後に本稼働前には各部署の窓口の担当を決めていただいて、テスト稼働に時間をかけることをお薦めいたします。特に運用マニュアルは自社オリジナルで作成して頂くことにより、課題点などを事前に掌握することが出来、スムーズな運用につながります。

 

 

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