建設業界大手スーパーゼネコンの労働環境比較

1.スーパーゼネコンとは

 建設業界において、年間売上高が1兆円超のゼネコンである、大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店は、スーパーゼネコンと言われています。
前回はこの業界大手5社について業績面から比較してみました。今回は企業内部の人材に着目し、労働環境面から比較してみたいと思います。

2.従業員数/平均勤続年数

出典:各社2018年度有価証券報告書

 前回、売上高・営業利益でトップであった大林組は従業員数では3位であり、鹿島建設が群を抜いて最も多い従業員数を有しています。
一方、唯一の非上場会社であり、5社の中で最も古い歴史を持つ竹中工務店は従業員数は他の4社よりも少なめですが、平均勤続年数は一番長いという結果から、安定して長く働き続ける人が多いと分析できます。

3.平均年齢/平均給与

出典:各社2018年度有価証券報告書

 ここでも、平均年齢が一番高い鹿島建設の平均給与が他の4社を引き離して最も高くなっています。
注目すべき点として、年齢が高いほど給与も高いということが通常であるのに対し、大林組は平均年齢は5社の中で最も低いにもかかわらず、平均給与は鹿島建設に次ぐ2位となっています。

4.今後の建設業界

 今回は、スーパーゼネコン5社について労働環境に着目した比較分析をしてみました。
当分析はあくまで公表されたデータを使って定量的、客観的に行ったものであり、労働環境としては社内風土や慣習など定性的な要素が大きく影響することは言うまでもありません。
景気の動向など外的要因による影響を受けやすい建設業界ですが、このような大手企業が自社の強みを生かした中長期的な視点からの技術開発や海外進出などを進めることで、今後も建設業界をうまくリードしていくことが期待されています。


maekawa_100 執筆者 

汐留パートナーズグループ
汐留パートナーズ株式会社 代表取締役
公認会計士(日米)・税理士 前川 研吾 氏

北海道大学経済学部卒業。公認会計士(日米)・税理士。
公認会計士試験合格後、新日本有限責任監査法人監査部門にて、建設業、製造業、小売業、金融業、情報サービス産業等の上場会社を中心とした法定監査に従事。
また、同法人公開業務部門にて株式公開準備会社を中心としたクライアントに対する、IPO支援、内部統制支援(J-SOX)、M&A関連支援、デューデリジェンスや短期調査等のFAS業務等の案件に数多く従事。
2008年4月、27歳の時に汐留パートナーズグループを設立。
税理士としてグループの税務業務を統括する。

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