建設キャリアアップシステムの普及・活用状況

建設キャリアアップシステムの 普及・活用状況

はじめに

 2019年4月より建設キャリアアップシステム(以下、CCUS)が導入され、現在都道府県においてCCUSの普及・活用に向けた取り組みが広がりを見せています。今回はCCUS導入から約1年半となる中で、その普及状況、及び最近活発化してきた各都道府県での取り組み状況について見ていきたいと思います。
(建設キャリアアップシステムの概要についてはコラム2019.10.20をご参照ください)

CCUSの普及状況

 CCUSの都道府県別登録数については、建設キャリアアップシステム専用サイト(一般財団法人 建設業振興基金)に掲載されている都道府県別技能者・事業者登録数にて確認できます。2020年6月31日現在で全国の登録数は、技能者293,562件、事業者55,337件となっています。2019年4月のCCUS導入から現在までの登録数(技能者ID数及び事業者ID数)の推移をグラフで表すと以下の通りです。

技能者ID数推移

事業者ID数推移

出典:都道府県別登録数(一般財団法人 建設業振興基金)

 上記グラフより、登録数は毎月順調に伸びているといえますが、国土交通省が運用開始当初掲げていた、1年で約100万人、5年で全ての建設技能者(約330万人)の登録、という目標を鑑みると、導入から1年以上経過した現在の登録数は、目標達成には遠い状況ともいえます。

 国土交通省は、CCUSの更なる普及・活用への取り組みを促進すべく、「建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ」を、業界団体に提示し、適切な対応を要請しています。

「建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ」について

 2020年3月23日、国土交通省と建設業者団体が連携し、「建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ」が公表されました。その中では、「国直轄でのCCUS義務化モデル工事・活用推奨モデル工事の試行」、「一部の県で実施している総合評価落札方式でのCCUS導入による加点措置」などを参考に、CCUS導入に関して積極的な取り組みを行うように要請しています。またCCUSに関する都道府県等の加点評価の取り組み状況については、報告を求める方針であるとしています。

 いずれも、2023年度からの「全ての工事でのCCUS完全実施」に向けた、官民における具体的な施策となっています。

 加えて、国土交通省は、2020年4月1日に都道府県や政令市など公共発注団体や主な民間発注者団体に対して、「建設キャリアアップシステムの活用促進等について」と題する通知を発しています。その内容は、建設業者団体に対し、「建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ」に基づく取組を求めるものとなっています。

 特に入札に関する内容は、公共工事入札契約適正化促進法(入契法)の「入札契約適正化指針」において、CCUSの活用促進を図ることが明記されたことを受けたものとされています。

公共工事の入札及び契約の適正化を図るための指針

出典:【国交省】建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ

都道府県のCCUSへの取組状況

 国土交通省による「建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ」の提示や、都道府県等各業界団体への直接的な通知を受け、各都道府県ではCCUS活用に向けた動きが活発化しています。

 国土交通省の調査によれば、2020年7月時点で39都道府県が公共発注の企業評価にCCUSを導入又は導入を検討していると回答したことがわかりました。各都道府県のCCUSへの取組状況を簡単にまとめると以下の通りです。

都道府県のCCUSへの取組状況

都道府県のCCUSへの取組状況

おわりに

 今回はCCUS導入から約1年半が経過した現在において、その普及状況及び活発化してきた都道府県での取り組み状況について見てみました。

 CCUSはその普及が進めば進む程、建設業界共通の制度インフラとしての機能を発揮していくものといえます。今後も企業評価の加点要素としてCCUSが組み入れられる事例が増えていく等、CCUS導入に対するインセンティブは高まっていくでしょう。

 2023年のCCUS完全実施の目標に向けて、現在は様々な制度の変革時期といえ、今まで以上に「変化」に敏感に、スピード感をもった取り組みが期待されています。当コラムをCCUS普及・活用状況把握の際の情報として参考としていただければ、幸いです。

 執筆者 maekawa_100
汐留パートナーズグループ
汐留パートナーズ株式会社 代表取締役
公認会計士(日米)・税理士 前川 研吾

北海道大学経済学部卒業。公認会計士(日米)・税理士。公認会計士試験合格後、新日本有限責任監査法人監査部門にて、建設業、製造業、小売業、金融業、情報サービス産業等の上場会社を中心とした法定監査に従事。また、同法人公開業務部門にて株式公開準備会社を中心としたクライアントに対する、IPO支援、内部統制支援(J-SOX)、M&A関連支援、デューデリジェンスや短期調査等のFAS業務等の案件に数多く従事。2008年4月、27歳の時に汐留パートナーズグループを設立。税理士としてグループの税務業務を統括する。

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