人手不足・生産性向上に!建設業のための勤務間インターバル制度

人手不足・生産性向上に!建設業のための勤務間インターバル制度

勤務間インターバル制度とは

 「勤務間インターバル」は、勤務終了後、一定時間以上の「休息時間」を設けることで、従業員の生活時間や睡眠時間を確保するものです。2018年6月に成立した「働き方改革関連法」に基づき「労働時間等設定改善法」が改正され、前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保することが事業主の努力義務として規定されました。

 例えば、始業時刻を9時、終業時刻を18時、インターバル時間を11時間とした場合を例に考えてみます。仮に18時から22時までの間に4時間未満の残業を行った場合、翌日の始業時刻9時までに11時間のインターバル時間が確保できるので、特に問題はありません。しかし、18時以降に4時間以上の残業を行った場合、翌日9時に出勤すると11時間のインターバル時間が確保できません。この場合は始業時間を繰り下げる必要があります。

勤務間インターバル制度のメリット

従業員の確保・定着

従業員の確保・定着

定時以降の残業を制限するより明確に休息時間が確保される勤務間インターバル制度は、従業員のワーク・ライフ・バランスを充実させます。特に労働人口の減少が著しい建設業界では人材確保・定着が重要な課題となりますが、勤務間インターバル制度を導入することで魅力的な職場と捉えられやすくなります。

生産性の向上

生産性の向上

米国の研究によると、4時間睡眠の場合は6日以上、6時間睡眠の場合は10日以上継続した場合、一晩徹夜した状態と同程度の遅延反応が生じたという結果が出ています。睡眠負債が蓄積すると疲労が慢性化し、判断能力や反応が鈍くなり生産性が低下します。インターバル時間を確保することで、従業員に十分な休息をとってもらうことが可能となり生産性向上に寄与します。

勤務間インターバル制度導入支援策

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)

※交付申請期限は2021年11月30日まで

 勤務間インターバル制度の導入に取り組む中小企業事業主を対象とする働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)があります。(※1)

対象
  1. 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  2. 次のアからウのいずれかに該当する事業場を有する事業主であること
     ア 勤務間インターバルを導入していない事業場
     イ 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、
       対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
     ウ 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場
  3. 全ての対象事業場において、交付申請時点及び支給申請時点で、36協定が締結・届出されていること。
  4. 全ての対象事業場において、原則として、過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態があること。
  5. 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
支給対象となる取組
  1. 労務管理担当者に対する研修
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  7. 労務管理用機器の導入・更新
  8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  9. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
    (小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)
事業実施期間 事業実施期間中(交付決定の日から2022年1月31日(月)まで)に取組を実施。
支給額 休息時間数(※3) 「新規導入」に該当する取組がある場合 「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」又は「時間延長」に該当する取組がある場合
9時間以上11時間未満 80万円 40万円
11時間以上 100万円 50万円

※1:対象経費の合計額に補助率3/4(※2)を乗じた額が助成されます(ただし上の表の上限額を超える場合は、上限額まで)
※2:常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5
※3:事業実施計画において指定した事業場に導入する勤務間インターバルの休息時間のうち、最も短いものを指します

従業員の健康・安全衛生を守る勤務間インターバル制度

 勤務間インターバル制度の導入は事業主の努力目標です。このため導入をしない、もしくは所定の休息時間を確保しなくても法定の罰則は課されません。しかし、昨今の長時間労働改善の動きから、事業主は労働者の心身の健康を守る必要があります。

 EU加盟国では既に勤務間インターバル制度の導入が進んでおり、休息時間として11時間以上の確保が義務付けられています。優秀な人材確保に寄与する「勤務間インターバル制度」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

プライバシーマーク