建設業では、その取引の性質から、有効な資金調達手段として「ファクタリング」を利用するケースがあります。

ファクタリングとは？

『ファクタリング』とは、企業から売掛債権を買い取り、売掛債権の管理や回収を行う金融サービスのことをいいます。
売掛債権の回収期限前に現金化することが可能なため、すぐにでも手元資金が必要な場合等の資金調達手段として利用されています。
ただし、メリットがある一方で仕組みが煩雑であったり、悪徳業者の存在があったりと、利用には正しい知識と判断が必要です。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」があり、それぞれ仕組みが異なります。

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■ 3社間ファクタリング

ファクタリングの種類

ファクタリングには以下のような種類があります。
一般的に「ファクタリング」という場合には、「買取ファクタリング」を意味します。

種類	対象債権	取引形態	内容
買取ファクタリング	売掛債権	2社間 3社間	売掛債権を買い取る形のファクタリングで、売掛債権の早期現金化、未回収リスクの回避が可能となります。
保障ファクタリング	売掛債権	2社間 3社間	売掛債権の支払いをファクタリング会社が保障します。取引先が倒産してしまった場合等に、売掛債権を回収できなくなるリスクを回避することができます。
一括ファクタリング	売掛債権	2社間 3社間	支払手形の代わりに、買取ファクタリングに加えて決済事務を一括して引き受けます。
国際ファクタリング	輸出債権	4社間	海外企業との輸出取引に対して発生した売掛金を回収するために利用されるサービスです。
医療ファクタリング	医療報酬債権	3社間	診療報酬債権を利用したファクタリングです。通常医療機関が診療報酬を受け取るまで2～3ヵ月かかりますが、医療ファクタリングを活用すると期日前に現金化が可能となります。

ファクタリングのメリット/デメリット

■ ファクタリングのメリット

① 資金調達スピードが早い
ファクタリングは、銀行融資などと比べて審査にかかる時間が短いため、最短で即日の現金化が可能です。
すぐに手元資金が必要な場合に便利です。

② 自社の財務状況の影響を受けない
ファクタリングで重視されるのは、売掛金の与信です。そのため、仮に自社の財務状況が悪い場合にも、売掛金の信用力が高ければファクタリングを利用できる可能性は高いといえます。

③ 売掛金未回収リスクの回避
ファクタイングを利用した場合、取引先の倒産等による貸倒リスクはファクタリング会社に移ることになります。
万が一、未回収の売掛金がある状態で取引先が倒産した場合でも、リスクを負わずに済む点はメリットといえます。

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■ ファクタリングのデメリット

① 手数料が高い
ファクタリングは、銀行融資よりも審査が柔軟かつスピーディである反面、手数料はかなり高額となる場合があります。
無計画に利用してしまうと、逆にキャッシュフローを悪化させてしまう可能性があるため、十分注意する必要があります。

② 取引先との関係性悪化の可能性
3社間ファクタリングの場合、債権をファクタリン会社に譲渡することを売掛先に承諾してもらう必要があります。
その場合、当然ながらファクタリング利用を取引先に知られることになりますので、取引先からの信用が落ち、関係性が悪化してしまう可能性も考えられます。

③ 闇金業者の存在
ファクタリングは、法整備がまだ十分に行き届いていないため、闇金業者がファクタリングに目を付けている現状があります。
銀行融資と同じような感覚でファクタリングに申し込むのは非常に危険であるということ認識しなくてはいけません。

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