3大事例! 建設業はカーボンニュートラルにどう取り組むべきか?

公開日:2022.7.11
更新日:2023.10.12

CNをいかに新しい価値に結びつけるのか

“脱炭素社会実現”は、現代の経済活動における大きな課題です。公共工事でも、カーボンニュートラルへの取り組みが評価項目に挙がっています。具体的にどう対応すればいいのか、頭を悩ませている事業者様も多いのではないでしょうか? 本稿では、大手ゼネコンを中心に試みられる様々な施策の事例を3つの分類に整理して解説しています。

カーボンニュートラルとは?

2020年10月の臨時国会で、2050年までに脱炭素社会実現をめざすことが宣言されました。以後、様々な業界でカーボンニュートラル(Carbon Neutral)がスローガンに掲げられています。

人間が生活するうえで、また、経済や産業を発展させるなかで、化石燃料の消費による温室効果ガス(CO2;二酸化炭素)の排出を避けることはできません。カーボンニュートラルとは、植林や森林管理による吸収や新技術によってCO2の排出を相殺し、実質的にゼロにすることを指します(ゼロカーボンといわれることもあります)。SDGs時代、持続可能な社会づくりのうえで、基盤となる考え方といえるでしょう。

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背景となる深刻な地球温暖化

ご存知のように、多くの環境問題のなかにあって、CO2による地球温暖化は人間生活への影響が大きく、重大視されています。

科学的に気温観測が始められた19世紀以降、平均気温や平均海面水位が上昇傾向にあるのは疑う余地がありません。1906年から2005年までの100年間で平均気温は0.74度上昇しています。結果、極地での海氷の大規模な融解を招いており、ホッキョクグマやペンギンが生息地を追われるなど、陸生および海生生物への影響も甚大です。

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影響は極地の生態系に留まりません。海氷の融解は世界的な降水量増加に繋がっており、わが国においても洪水や高潮などの自然災害が増加傾向にあります。気象庁の統計によれば、20世紀初頭の30年間と最近30年間で比較して、日降水量200mm以上の日数は約1.4倍まで上昇しています。

気温や水温上昇による日本の亜熱帯化も懸念されており、生態系の急速な変化や農業生産減少、真夏のエネルギー問題など、多くの問題に波及しているのはご存じのとおりです。

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建設業界におけるカーボンニュートラル

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現在、あらゆる産業でカーボンニュートラルへの取り組みが始まっています。とりわけ建設業界は、日本の基幹産業の一角として、取り組みを牽引する立場を期待されています。というのも、CO2の排出量部門内訳では、エネルギー産業に次ぐ形で22.4%を製造・建設業部門が占めるという統計が出ているからです。

温室効果ガス排出を抑えるということは、ともすれば経済活動にブレーキをかけることでもあります。建設工事現場で重機や大型車両を使用せざるを得ない建設業界は、カーボンニュートラルにどう取り組めばよいのでしょうか?

現在、官民一体となって様々なプロジェクトが進められており、大きな成果を収めています。代表的な事例をご紹介しましょう。

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建設業界CN事例

建設業界でのカーボンニュートラルを実現すべく、2015年に建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)が公布されました。建築物エネルギー消費性能基準を設け、非住宅部分の面積が300㎡以上の新築/増改築の場合には同基準への適合が、床面積300㎡以上の新築/増改築の場合には同基準への適合についての届出が、それぞれ義務づけられています。

また、2022年5月、東京都は新築物件に太陽光パネル設置を義務化する意向を示唆。今後、太陽光パネルの設置や増設、メンテナンスなどの工事需要が増加する見込みですが、それらの費用は居住者負担となるため、東京での新築需要が減少するとの見方もあります。今後の動向には、目が離せません。

太陽光発電

大手ゼネコンでは、大きな資本と高い技術力、豊富なノウハウを活かし、新建材の開発や大規模な改革が進められています。代表的な例をみていきましょう。

まず、期待の環境配慮型の新建材として、カーボンリサイクル・コンクリート。工場の排出ガスから回収した炭酸カルシウムを原料とすることで、製造工程での排出量以上にCO2を減少させる効果があるとされる、サステナブルな新素材です。

施工方法の工夫としては、建材を工場で生産するプレハブ方式が挙げられます。効率性を高めることで、建設現場での作業負担を軽減させる狙いです。

その他、エネルギーの高効率化を図るエコデザインやエネルギーマネジメント、太陽光や風力を利用した再生可能エネルギーの採用など、多角的総合的に脱炭素化を図る新しい建築物の理想形、ZEB(Net Zero Energy building)の提唱など、様々な取り組みが為されています。

参考記事:新たな建設特需! 再生可能エネルギーが生む付加価値とは?

建設現場での重機・車両など、大型建機からの温室効果ガス排出もまた、無視できない問題です。これまではディーゼルエンジンによる燃費向上やEV建機の導入で対応されていましたが、近年では、より低コストで短期間での成果が見込めるICT施工が急速に普及しつつあります。

ICTはInformation and Communication Technologyの略称で、情報通信技術と訳されます。例えばドローンを駆使した三次元測量、位置検測装置から得た情報を基に自動制御するMC(Machine Control)/MG(Machine Guidance)建機の活用、施工管理システムの導入による効率化などが代表例です。

これらのICT施工は、作業効率を向上させ工期自体を短縮させることで、建設コストを下げながら同時にカーボンニュートラルに貢献する一挙両全の施策として期待されています。

ICT
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カーボンニュートラルを成長戦略として捉える

温室効果ガス抑制というスローガンは、ともすれば経済や産業の足枷になるのではないか、という懸念もありました。ですが、実際に蓋を開けてみれば、多くの事業者様が生産性向上と両立させ、パブリシティや企業ブランド向上、新しいビジネスチャンスに結びつける成長戦略の一環として同問題に取り組んでいることがわかります。

大規模工場での建材生産や新建材の開発は、大手ゼネコンの資本があってこその施策ですが、ICT施工導入であれば、比較的低コストで人手不足の解消にも繋がるため、導入の敷居が低いのではないでしょうか。また、建設現場のカーボンニュートラルだけではなく、バックオフィスも巻き込んだ施策が必要です。

内田洋行ITソリューションズでは、そうした建設業事業者様向けに多くの製品・サービスをご案内しております。カーボンニュートラル事例の詳細とともに、無料のPDF資料もご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

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