【まとめ】建設業におけるDXの現状と展望

公開日:2021.2.10
更新日:2023.12.20

建設業におけるDX推進状況

近頃耳にすることが多くなってきたDX(デジタル・トランスフォーメーション)は、業種を問わず各企業の課題となっています。「今までのIT活用との違いは?」「なぜ今DXが推進されているのか?」と疑問をお持ちの方に、本記事ではDXとは何ぞや、建設業との関係について解説します。

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DXの概要

DXの概要

「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」は、経産省が発表した「DX推進ガイドライン Ver.1.0(平成30年12月)」によれば、下記のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

言い換えると、DXは「ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること」を意味します。

これまでのIT活用との違いは”目的”

今までのIT・システム活用とDXの違いは、それぞれの目的にあります。IT活用の目的は、既存業務の効率化ですが、DXではさらに効率化を行うことで組織を変革することを目的とします。

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日本企業におけるDXの位置づけ

DXをそもそも進めない場合に、各企業にどのような影響があるのでしょうか。経産省が2018年に発表した「DXレポート」によれば、DXを各企業が進めない場合下記のような事態に陥ると考えられています。

  • システムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上にのぼる可能性がある
  • 保守運用の担い手不在で、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブル、データ滅失等のリスクが高まる
  • 市場の変化に柔軟に対応しきれずデジタル競争から出遅れる

さらに各企業がDXを進めない場合、2025年~2030年の間に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があるとされています。このため、各企業ではDXに向けて情報を収集し始めています。

日本における現在のDX状況

参考:経済産業省「DXレポート2」

成熟度レベル 特性
レベル0 『未着手』 経営者は無関心か、関心があっても具体的な取組に至っていない
レベル1 『一部での散発的実施』 全社戦略が明確でない中、部門単位での試行・実施にとどまっている
レベル2 『一部での戦略的実施』 全社戦略に基づく一部の部門での推進
レベル3 『全社戦略に基づく部門横断的推進』 全社戦略に基づく部門横断的推進
レベル4 『全社戦略に基づく持続的実施』 定量的な指標などによる持続的な実施
レベル5 『グローバル市場におけるデジタル企業』 デジタル企業として、グローバル競争を勝ち抜くことのできるレベル

新型コロナウイルス感染症拡大により、企業を取り巻く環境は2020年から大きく変化しました。経産省では日本のDX推進のための課題や対策のあり方について、2020年12月末に中間報告「DXレポート2」を公表しました。

DXレポート2によれば、DX推進指標の自己判断に取り組み結果を提出した企業のうち95%の企業はDXにまったく取り組んでいないか、取り組みを始めた段階であり全社的な危機感の共有や意識改革のような段階には至っていないという結果が出ました。

 しかし、今もなお続くコロナ禍において企業は今までのビジネスモデルを見直す必要が出てきています。変化に迅速に適応し続けること、ITシステムだけではなく企業文化のような抜本的変革も視野に入れることが、事業の継続性に大きな影響を与えるといえます。

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建設業とDXの関係性

産業別に見るDX推進状況

参考:IDC「国内CIO調査2020」(2020年4月実施)より

建設業におけるDXは現在どのような状況でしょうか。

2020年4月にIDCが実施した「国内CIO調査2020」によれば、DX進行状況を産業分野別にみた場合「金融」が最も進んでいますが、2番手は「建設/土木」という結果が出ました。建設業界におけるDXは、製造業や流通業等と比較すると進んでいるといえます。他産業よりDXが進んでいる理由の1つとして、以前より進められていたi-Constructionが影響していると考えられます。

他産業と比較して建設業界のDXが進んでいるとはいえ、今後も取り組みは継続して行う必要があります。
建設・工事業が取り組めるDX施策としては、下記が具体例として挙げられます。

  • 基幹システムのクラウド化
  • 事務所と現場をつなぐコミュニケーションツール
  • 遠隔地からの監督業務が可能になるウェアラブルカメラ

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