業界特性として多層請負構造を持つ建設業界では、さまざまな協力会社との間で膨大な発注業務及び請求書処理が発生します。ただ、建設業の発注業務~請求書処理は依然として紙やExcelを用いたアナログ運用が主流であり、バックオフィスの業務は非常に煩雑です。特に、請求書処理のフェーズは支払処理や工事原価管理とも密接に関連するため、ミスや遅滞が許されず、負荷の大きい領域といえます。
人手不足や各種法令、働き方改革への対応はもちろんのこと、建設コストの急激な高騰を背景に適正利益の確保が強く求められる昨今、発注業務~請求書処理の電子化は、避けて通れないテーマです。そうした課題を抜本的に改善するのが、建設業ERPと企業間電子取引サービスの連携ソリューションです。
この記事では、建設業の発注業務~請求書処理のなかで根強く残る請求書類のペーパーレス化のメリットとその方法について、わかりやすく解説します!
目次
建設業のペーパーレス化、最後の難関 “請求処理”
業種比較でみた際にDXが進みづらいとされる建設業においても、2018年以降、グレーゾーン解消制度でクラウド電子契約サービスが適法と認められて以降、契約業務の電子化が進んでいます。また、2024年の第三次・担い手三法をはじめとして、建設工事現場でのICT活用を推進する動きもあり、図面や工事写真、日報などをクラウド管理することで現場と事業所間のやりとりを効率化する仕組みも、一般的になりつつあります。
一方で、建設業において最も紙でのやりとりが根強く残る業務が「請求処理」です。
建設業で用いられる請求書の多くは、「工事コード」や「工種」ごとに請求金額を記載する専用書式になっています。元請企業が指定する請求書様式(いわゆる指定請求書)に基づいて請求が行われるケースが多く、各企業のWebサイトからダウンロード可能なExcelフォーマットなどが広く用いられています。また、事務用品店で市販されている複写式の請求書を利用するケースもあります。
建設業の発注業務~請求書処理の一連の業務のなかで必ず発生する「請求書」が紙から脱却できない理由としては、以下の背景が挙げられます。
1.協力会社が多く、紙での請求が根強い
建設業は、一次・二次・三次……と階層構造が深く、関連する協力会社が数十から数百社に及ぶことも珍しくありません。日々の商取引のなかで受領する請求書も、膨大な数にのぼります。上述したように、その多くが紙やExcelによるものです。
電子化による効率化が必要なことを認識していても、小規模な協力会社ほどITへの投資が進んでいないケースが多いです。元請側では発注業務の電子化・請求書処理の電子化を進めたいが、協力会社に一方的に対応を求められないという事情があります。
2.現場担当者が請求書を紙で受け取る文化が根強い
建設業における請求処理はアナログ文化が根強く、請求書が本社に直接届けられることが多いほか、現場担当者が手渡しで受け取るケースも少なくありません。その場合、数字のチェックや押印のために、現場ごとにまとめた紙の請求書を現場と本社間でやりとりする必要性が生じます。
長年の商慣習とはいえ、非効率的であるばかりか、原本の紛失リスクも伴います。また、建設業の請求処理は、月次締めで行なわれる支払処理や工事原価管理にも関連するため、時間の面でも余裕がありません。
3.バックオフィスへの投資が後回し
建設業では現場業務が優先される傾向が強く、バックオフィス部門の効率化は優先順位を低く抑えられがちです。一方で、近年取り沙汰される建設業の人手不足や時間外労働規制はバックオフィスにも及んでいるため、紙運用による業務負荷は増大しています。
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建設業の発注業務~請求書処理、こんな課題を抱えていませんか?
紙やExcel中心の業務運用について、効率の悪さを感じている事業者さまは少なくありません。
自社でも、つぎのような課題はありませんか?
1.書類作成や処理が非効率
すでに述べたとおり、建設業の発注業務~請求書処理はアナログで煩雑です。承認された見積書をもとに発注書を手作業で作成する、また、受領した請求書をもとに仕訳を行ない工事ごとに原価管理する――といった作業は、非効率的なうえ、転記ミスの温床になります。
また、印刷・押印手続き・本社と現場間での紙書類のやり取りといった業務は、付加価値を生まない作業でありながら一定の時間と手間を要しており、業務全体の効率を下げる要因です。
2.伝達ミス・請求漏れ・原価管理の正確性
FAXや電話などのアナログな発注方法は、伝達ミスや聞き間違いの原因となります。資材の数量や品番を誤発注する原因にもつながり、結果として利益を圧迫するばかりか、工期の遅れにも繋がりかねません。
請求書受領の段階でも同様で、請求漏れや未回収が発生した場合、月締めの工事原価管理が不正確になります。資材や人件費など建設コストが急速に高騰している昨今、精緻な工事原価管理は建設業の生命線です。適正な利益を確保のためにも仕組みづくりが不可欠です。
3.各種法制度への対応が難しい
発注業務や請求書処理がアナログのままでは、現代のバックオフィスの各種法制度への対応を正確にすることは困難です。
2026年現在、仕入税額控除を受けるためにはインボイス(適格請求書)の必須記載項目を満たした請求書が必要です。また、電子取引で授受したデータについては、適切な保存が求められます。
請求書処理の法令まわりチェック事項
- インボイスの必須記載項目:登録番号・取引年月日・取引内容・税率ごとの金額・税率ごとの消費税額・相手方の氏名または名称(消費税法第57条の4)
- 電子取引データの保存:帳簿書類の保存期間は7年・欠損金の繰越控除がある場合は10年(法人税法施行規則 第59条第1項・法人税法施行規則 第26条の3第1項)
- 検索性の確保:取引年月日・ 取引金額・ 取引先名で検索できること(電子帳簿保存法施行規則第2条)
- 改ざん防止:タイムスタンプを付与するかシステム側で訂正・削除の履歴を残す(電子帳簿保存法施行規則第2条)
建設業の発注業務~請求書処理を電子化する
上に列挙した課題解決のためにおすすめしたいのが、建設業ERPシステム“PROCES.S”と企業間電子取引サービス“BtoBプラットフォームTRADE”の連携ソリューションです。
両システムはWeb APIで連携し、PROCES.S上からの操作で、発注から請求書処理までの流れを一気通貫で処理できるようになります。従来のような紙書類の作成・押印・持参してのやりとり・スキャン・ファイリングなどのアナログ作業を大幅に削減できます。
BtoBプラットフォームTRADEとは?
建設業界に最適な企業間電子取引サービス
シンプルな操作性で、ITに不慣れなスタッフや協力会社でも対応が容易です。PROCES.Sと組み合わせれば、商取引の流れと会計間でデータ連携されるため、支払処理の効率化と工事原価管理の精度向上につながります!
※協力会社側で同システムを導入していない場合でも利用が可能です。協力会社側に追加費用の負担をかける心配も要りません。
請求業務電子化の効率化ポイント
PROCES.SとBtoBプラットフォームTRADEの連携ソリューションによるメリットについて解説します。
- Before
- 紙の山、承認停滞、紛失、利益の適正確保が困難、二重入力…
- After
- 紙ゼロ、承認状況が見える、発注・請求データの管理がラク、原価管理が正確になり二重入力もゼロに!
POINT1. 請求書の受領を電子化してコスト削減
本社と現場間での紙のやりとりがなくなり、締め日管理がラクに。請求データをCSVでそのまま取り込めるようになるため、請求書まわりの管理業務も激減。人手不足でも回る仕組みが作れます!
当然にして、印刷費用、封入作業、ファイリング棚のスペース、保管倉庫の費用、紛失・差し戻しによる手戻りなども、電子化すればほぼゼロです。
POINT2. ERPシステムとデータ連携
PROCES.Sを経由した発注段階で、発注データには「注文番号」・「工事コード」・「取引先」・「工種」といった情報が自動付与されます。
その後、協力会社から請求データを受領する際に、協力会社が工事や工種を入力しなくとも、請求データに付与された注文番号をキーにして「工事」・「取引先」・「工種」などの情報を自動で補完することが可能になります。
PROCES.S側では、取り込んだ請求データをもとに未成工事支出金(材料費)/工事未払金の自動仕訳を行ないます。
業務効率化と精緻な工事原価管理を両立できます。
POINT3. 協力会社とのやり取りがスムーズに
建設業は協力会社が多く、紙での商取引はトラブルのリスクと隣り合わせです。現場での書類紛失や記載不備の差し戻しなどの問題は常に起こり得ます。本連携ソリューションならそれらのトラブルも減らし、自社の効率化だけでなく協力会社との取引の透明性を高めます。
PROCES.S × BtoBプラットフォームTRADEの導入ステップ
本ソリューション導入から運用までのステップを、整理して解説します。
STEP1. 社内の現状整理
電子化の成功は、このフェーズでどれだけ“バックオフィスの現状を正しく把握できるか”で決まります。
システム導入によって工事原価管理の精度をどこまで高められるか、また、請求書の年間枚数(紙・PDF・Excelの割合)・協力会社数と電子化の意向・現場で紙を受け取る頻度・承認フローの実態(誰が止めているか)・紙保管コスト(キャビネット・倉庫)・インボイス不備の発生状況などを検め、コストに見合う効果を見込めるかどうかを検討しましょう。
このステップでは、承認者だけでなく経理スタッフや現場・購買部門の協力が不可欠です。現場の実態を把握せず本社だけで判断してしまうと、せっかく費用をかけて電子化しても思うように効率化は進みません。
STEP2. 協力会社への案内
発注業務~請求書処理の電子化で最も重要なのは、協力会社がそのシステムをスムーズに使えるかどうかです。
本連携ソリューションは、受注する協力会社側でシステム導入や費用などの負担はいっさい不要なのが特長です。ただ、ITに不慣れな協力会社も少なくないでしょう。システムの詳細や操作方法について丁寧に説明し、理解を得るプロセスはおろそかにできません。
発注業務~請求書処理を電子化することで、支払遅延やミス・紛失を防止できること、協力会社側も持参の手間を軽減できることなど、双方のメリットを併せて説明すれば理解を得やすいでしょう。
STEP3. 運用開始
いきなりの完全電子化は現実的でありません。建設業では段階的移行が最も成功率が高いといえます。そのためには、現場でも協力会社でもシステムへの習熟期間を設けることが必要です。
はじめのうちは紙と電子を併用しながら協力会社の登録状況を確認しましょう。この間に、フローやERPシステムとの連携に問題があれば修正対応を行ないます。
最終的には紙での発注業務・請求書処理をなくし、デジタルでの運用が当たり前のものとして浸透すれば、導入プロジェクトは成功です!
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PROCES.S × BtoBプラットフォームTRADEの導入は、単に技術的な話だけでなく、建設業のバックオフィスへの深い理解に裏打ちされた業務フロー設計が不可欠といえます。建設業へのシステム提供について豊富な実績と知見を持つ内田洋行ITソリューションズなら、スムーズな導入支援が可能です。冒頭に挙げた課題にお心当たりがある事業者さまは、ぜひご相談ください。
発注業務~請求書処理でお困りのお客さま向けに、本ソリューションの詳細をコンパクトにまとめたわかりやすいPDF資料もご用意しています。こちらも併せてご活用いただければ幸いです。
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