精度の高い経営情報の把握が可能に。システム活用状況の統一で業務フローも改善

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電気工事業

京三電設工業株式会社

設立
1962年12月12日
代表取締役社長
木村 聡
資本金等
5,000万円
社員数
283名
本社所在地
東京都大田区南六郷二丁目36番20号
Webサイト
https://www.kyosan-elcs.co.jp/

1962年設立。信号設備工事の専門企業として、鉄道信号設備工事および交通信号工事を行っている。鉄道信号設備については、列車の進路を切り替える転てつ装置(ポイント)や踏切の警報機・遮断機、信号機などの設計及び施工。交通信号に関しては、交通信号機とその制御器の取り付けや動作設計、調整を実施している。

東京、名古屋、大阪、福岡の4都市に支店を持ち、それぞれの支店の下に仙台や静岡、長崎などを拠点とする営業所、加えて各地に現場の仕事を担う工事所がある。鉄道信号設備工事にはそれぞれの地域を拠点とする会社が携わることが多いが、京三電設工業は全国に拠点を持っていることから、規模を生かした工事の効率化や緊急の要請にも迅速な対応ができることが強み。

京三電設工業株式会社(以下、京三電設工業)は2015年、導入から15年が経過したERPシステムの刷新を決め、現行システムの更新も含めて数社を比較検討。最終的に内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)の建設・工事業ERPシステム「PROCES.S」を選択しました。決め手となったのは、標準機能に加え、カスタマイズや工事工程管理、要員・設備管理、資料管理を行う工事作業管理システムとの連携で、幅広い業務を支えるシステムが実現できること。導入後は、各拠点や各部署でばらつきのあったシステム利用状況が統一されて業務フローが改善し、より精度の高い経営情報の把握もできるようになりました。

※京三電設工業株式会社は、2022年4月1日より京三エレコス株式会社へ社名変更となりました。

京三電設工業株式会社 本社
▲京三電設工業株式会社 本社

システム導入の課題と効果

導入前の課題

  • 大型案件の受注に備え、業務の効率化が必要
  • 各拠点や各部署で、システムの活用状況が異なる
  • 決算の見込み数値の精度向上
  • 帳票への入力や管理の効率化

導入後の効果

  • システムを利用した業務フローが全社で統一され、業務改善が実現
  • 未払い分の注文が見える化され、精度の高い決算予測が可能に
  • エクセルとの連携で、データ入力の手間が大きく削減

導入の背景

精度の高い経営情報の把握と業務改善のため、システムを刷新

以前の業務システムには、どのような課題がありましたか?

以前のシステムは導入から15年が経過していたこともあり、外部環境や業務の変化に合わせて毎年のようにカスタマイズせざるを得ないという状況がありました。また、2年後の2017年に大型案件を受注する予定があり、それに対応するためにもシステムの性能を向上させて業務の効率化を進める必要がありました。

また、以前のシステムでは、原価管理の際に後払いの買掛金を含めた計算をすることができなかったため、工期が終盤に近付いたころに材料費や外注費の数字が急に跳ね上がるということがありました。そこで、買掛金も含めてリアルタイムで経営情報の管理ができるようにしたいと思い、現行システムのリニューアル、あるいは新システムへの移行を検討しました。

システム刷新にあたって、次のようなポイントも改善したいと考えていました。以前のシステムは、各拠点・部署からの要望に応える形で都度カスタマイズしてきたため、「こちらの部署では使いやすいけれど、別の部署では使いにくい」といったような部分最適になってしまうことが多く、拠点・部署間の活用状況に差が出ていました。ほかにも、当社は注文書などの帳票に様々な種類のフォーマットがあり、システムから出力できないものはExcelで作成していたため、その場合はデータをシステムに入力し直す手間も発生していました。

OA システム部 課長代理 野口 聖二 氏
△OA システム部 課長代理
野口 聖二 氏

導入のポイント

コストを抑えながらも理想が実現できる、バランスの良い提案が決め手に

複数社のシステムを比較検討した際に、何を重視されましたか?

条件として絶対に外せなかったことは、リアルタイムで買掛金を含む原価が見える化でき、決算の見込み予測がより細かくできること。それを担当者だけでなく、マネジメント層もいつどこからでも見られるようにしたいと考えていました。

また、建設業向けのパッケージは世の中にたくさんありますが、標準機能は会計に関わる部分だけという商品が多くありました。しかし当社は、それ以外の材料の発注や工程、人材といった工事全体の管理もシステムに含めたいと考えていたため、それを実現した場合のコストや開発期間がどれほどになるのかも重要でした。

その中で、「PROCES.S」を選択した決め手は何だったのでしょうか?

決め手はやはり、機能の要望に対して真摯に検討していただき、カスタマイズする部分と標準機能を応用する部分をバランス良く提案していただけたことですね。また、工事の進捗管理や作業予定など、「PROCES.S」だけではカバーできない部分は、システムズナカシマさんの工事業向け顧客情報&工事情報管理サービス「工事の匠」との連携を提案していただいたことも大きかったです。

「PROCES.S」も「工事の匠」もウェブをベースにした仕組みなので相性が良かったですね。また、「工事の匠」の機能を私たちと一緒に「育てる」という意識をお持ちだったので、こちらの要望もある程度採用していただけると思えたことも良かったです。

営業さんにはいろいろとご相談しましたが、密に連絡をくださり、コミュニケーションがスムーズでしたし、とても前向きに実現方法を考えてくださいました。この結果、こちらの思い描いているものに近く、かつコストが抑えられるバランスの良い提案をしていただけたと思います。

総務部長/OA システム部長 丸山 敏宣 氏
△総務部長/OA システム部長
丸山 敏宣 氏

導入の効果と今後の展開

データが様々な切り口で取り出しやすくなり、リアルタイムで経営状況の分析が可能に

導入はどのように行われましたか?

2016年4月にプロジェクトがキックオフし、半年ほどで要件定義、翌年1月に開発完了、2~3月にデータ移行と教育というスピード感で、2017年4月から運用を開始しました。本社での2日間の集合教育や、各拠点に出向いての教育などを大掛かりに行いましたが、ITSのSEさんなどにすべてサポートしていただき、参加者からの質問にもその場で答えていただきました。私たちもまだまだ理解していない部分が多かったため、全面的なサポートでとても助かりました。

導入後、どのような成果が得られましたか?

原価の見える化については、「未確定原価」という項目を設けてもらったことで買掛金がどれだけあるかが分かるようになりました。また、経営状況の分析のためにデータを取り出す際、以前のシステムでは決まった帳票しか出力できず、アレンジするにはExcelなどで加工するしかありませんでした。「PROCES.S」ではデータの絞り込み条件を細かく設定したうえで照会画面上に表示できるようになったため、いろいろと切り口を変えながらデータを取り出すことが簡単になりました。

表示のビジュアルも開発の段階でつくり込むことができ、非常に見やすくなりましたね。今後はこの機能を生かして、データを経営にどう活用していくか検討していきたいと思っています。それから、これまでは拠点・部署ごとにシステムの使い方が異なっていましたが、新システム導入をきっかけにある程度全社で統一できたので、業務改善にもつながっています。

多様なフォーマットがある帳票類については、システム上に全てのひな形をつくるとコストがかかりすぎることから、代わりに「Excel DB(データベース)」という機能を提供していただきました。これにより、Excelでつくられた既存の帳票に「PROCES.S」のデータを連携させて入力の手間を省きながら、手動でも変更できるようになっています。コストを抑えながら、ユーザー側で柔軟に対応できるため、とても助かっています。

今回の導入にあたって、ITSには様々な要望や質問にとにかく前向きに応えていただきました。私たちが答えを持っていないことも一緒に考えてくださり、とても信頼しています。これからもいろいろご相談することがあると思うので、よろしくお願いします。


△丸山様(右)と野口様(左)

※掲載内容は取材時点のものです。

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