エクセルシートからの脱却で案件管理の精度が向上 経理処理の手間も大きく削減

  • 株式会社パルテクノ
総合建設業

株式会社パルテクノ様

設立
2000年2月15日
代表取締役社長
中村 文隆
資本金等
5,000万円
社員数
19名
本社所在地
札幌市中央区北10条西24丁目3番地 AKKビル
Webサイト
https://www.paltecno.com/

調剤薬局の運営や経営サポートなどを行う株式会社メディカルシステムネットワークの100%子会社。主にグループの建築や設計に携わる目的で、2000年に設立された。

親会社の事業領域でもある医療や介護に関する建築に強みがあり、医療施設や福祉施設、クリニック、調剤薬局などの設計および施工に多数の実績を持つ。2018年には、札幌市中央区に施工費50億円の「ウィステリア南1条ビル」を竣工。同ビルには、サービス付き高齢者向け住宅のほか、複数のクリニックや薬局、コンビニなどがテナントとして入っている。

建設業のほか、不動産業や保険業も営む。2021年時点では建設業の売上が6~7割を占めるが、今後は不動産業にも力を入れる見込み。

株式会社パルテクノ
▲ 株式会社パルテクノ 本社

専用のシステムを持たず、案件をエクセルシートで管理していたという株式会社パルテクノ。しかし、それではリアルタイムの情報管理が難しいと感じていたところ、知り合いの建設会社からの勧めで、内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)の建設・工事業ERPシステム「PROCES.S」を知りました。

課題点の洗い出しを経て、2019年にPROCES.Sの導入を決定。2020年1月から本稼働を始め、リアルタイムでの情報管理はもちろん、経理処理にかかる時間や手間の削減などが実現しました。

システム導入の課題と効果

導入前の課題

  • リアルタイムで情報の更新や確認ができない
  • 手作業での資料作成に時間と労力がかかる
  • 建設業法に特化した簿記への対応が不十分

導入後の効果

  • 一つの情報にスタッフ全員がどこからでもアクセスできるように
  • 既存の会計システムと連携し、必要な手作業が大幅に減少
  • 建設業法で求められる資料がシステムから出力可能に

導入の背景

エクセルシートからの脱却で、無駄な時間と手間の削減へ

業務システムを導入しようと思われたきっかけは何だったのでしょうか。

もともとはエクセルシートで案件を管理していたのですが、すでにPROCES.Sを導入していた知り合いの建設会社から、「こういうシステムを使うと便利だよ」という話を聞いたんです。それで、ちょっと話を聞いてみようと思ったところから始まりました。

エクセルシートで管理していた当時、どのような課題があったのでしょうか。

理想的なのは、現場や管理、経営というそれぞれの立場の人間が、一つの表を見ながらコミュニケーションできることです。しかし、エクセルシートではリアルタイムで情報の更新や確認ができず、大事なところが更新されていなかったり、案件の進捗が滞ったりしていました。また、建設業法で求められる各種資料も手作業で作成しており、そこにかなりの時間と労力がかかっていました。

また、当社は従業員が20人足らずということもあり、経理を親会社に委託しているのですが、毎月エクセルシートから経理処理に必要な情報を手作業でまとめて提出するところにも労力がかかっていました。そのうえ、グループ唯一の建設業ということもあって、建設業法に特化した簿記への対応が十分ではなく、専用の科目の代わりに簡便的な勘定科目を使って記帳せざるをえないという課題もありました。

インタビューの様子
▲左から取締役管理部長 山田 一雅 氏、建築部 山本 智恵美 氏

導入のポイント

複数の課題点を相談し、「いいものにしてもらえる」と感じた

システム導入を検討した際、他社や他サービスとの比較はされましたか。

簡単に低コストで導入できるという観点で、パッケージソフトの購入も検討しました。しかし、結局はソフトが入っているパソコンでしか管理できないことになり、「リアルタイムで情報を共有したい」という希望は叶えられません。それならエクセルシートで管理することとそう変わらないので、そこにわざわざお金を掛ける必要はないのではと思いました。

では、PROCES.S導入の決め手は何だったのでしょうか。

やはり、PROCES.Sであればデータがクラウドにきちんと保管されるので、一つの情報に全員がどこからでもアクセスできるという点が一番の魅力でした。それから、親会社の経理担当が以前から使っている他社製の会計システムとも連携し、できるだけ人の手を煩わせない仕組みを構築できるという話をいただけたこともポイントでした。

建設業法で求められる資料をシステムから出力できる点も良いと思いました。もともとは建築部長を兼務している当社の会長が、1~2日つきっきりで資料を作成して提出していたので、そこは特に会長が気に入っていました。

帳票がカスタマイズできるというのも良かったです。我々は社内で経理や財務業務をしていないので、帳票は親会社に合わせたものを用意しなければなりません。従来の書式に合わせて、見た目や科目などの細かい調整に応じていただけるというところも導入の後押しになりました。

あとは、ITSの営業さんとの関係性もありました。「この人だったら、いいものにしてくれるだろう」と思わせてくれる方でした。

「難しいかな」と思うような相談をしても、すぐに「できません」と言うのではなく、毎回できる方法がないか検討・提案してくださるんです。すごく親身になって相談に乗っていただけたのが嬉しかったです。

導入の効果と今後の展開

既存の会計システムとの連携で、効率と正確さが向上

実際に導入してみて、どのような効果がありましたか。

各案件が管理しやすくなったのはもちろんですが、PROCES.Sと親会社の会計システムを連携したことで、経理業務において人の手を介する部分が大幅に減り、時間の短縮と正確性の向上が実現しました。

PROCES.Sを導入する前は、4~5名いる現場の担当者から月末ギリギリのタイミングで一斉に紙の書類を受け取り、そこから締め日までにスパートをかけて一気に経理処理のための資料づくりをしていました。少なくとも100件、多ければ250件の支払い申請を一つひとつ手作業で起票。それらをまとめたリストもつくって、親会社の経理部へ提出していました。チェックを行う必要もあったので、資料完成までに2日以上かかっていたんです。

PROCES.Sの導入後は、各現場担当者に情報を入力してもらうことにしました。各自で日々少しずつ入力をしてくれるので、私たちも資料の準備を締日までに余裕をもって進めることができるようになっています。それによって工事の進捗状況もリアルタイムで把握できるようになりました。資料が揃ったら、あとはCSVファイルを出力するだけで経理部に回せるので、早ければ1日で作業を終えることができます。

親会社の経理部も、今までは受け取った資料を丁寧にチェックしてから手作業で入力していたところを、CSVファイルをざっとチェックして必要な情報を追加し、会計システムに取り込むだけで作業を終えられるようになったようです。それによって、1~2日程度短縮できているのではないかと思います。

現場の担当者は平均年齢が50~60歳と高く、最年長は70代。最初はPROCES.Sの導入に猛反対されましたが、会社にメリットがあるということをきちんと説明したことで、今は慣れてもらうことができています。

帳票を従来の書式に合わせてITSさんに細かく調整してもらえたことも、社内であまり混乱が起きずに受け入れられた要因だったと思います。

今後、PROCES.Sをどのように活用していきたいですか。

建設業法で求められている資料を正しく出力するための情報入力や管理など、備わっている機能を十分に活用できていないところがあるので、もっと使いこなしていきたいです。

それから、全体の売上や原価をPROCES.Sで管理できるようになったので、今度は案件ごとに、営業利益などの情報を見られるようにカスタマイズしていければと思っています。

※掲載内容は取材時点のものです。

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