「10年先」を見据え、全部署のシステムを一元化 PROCES.S導入で、紙ベース業務のミスやロスを大幅に削減

  • 株式会社笹川組
総合建設業

株式会社笹川組

事業内容
建設工事、不動産管理、損害保険業ほか
設立
1952年4月
資本金
1億円
社員数
59名(2024年4月時点・パート社員含)
所在地
滋賀県大津市打出浜13番15号
Webサイト
https://www.sasakawa.co.jp/
導入システム
建設業ERPシステムPROCES.S

株式会社笹川組は、滋賀県大津市に本社を置く総合建設会社。滋賀県を中心に、京滋エリアで公共工事や店舗、工場、テナント、土木工事などを手掛け、「彦根総合スポーツ公園 陸上競技場」「滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール」などのランドマークや、滋賀県初のPFI事業による「コラボしが21」の建設など、さまざまな施工実績がある。
一級建築士を擁し、設計から施工まで一貫したサービスを提供しているほか、不動産管理も行っている。2023年9月には「ZEB(ゼブ/ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)プランナー」を取得。脱炭素に向けた取り組みや、環境に配慮したプロジェクトも積極的に推進している。
経済産業省により選定された地域経済の中心的な担い手となりうる事業者として地域未来牽引企業に選定されている。

「誠実奉仕」を社是に掲げる同社は、きめ細やかなアフターフォローが強み。建物の長寿命化や耐震化などに配慮した改修・再生なども手掛け、持続可能な地域のまちづくりに貢献している。


△ 彦根総合スポーツ公園 陸上競技場、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール

△ コラボしが21

株式会社笹川組は、大半の業務を紙ベースで行っており、書類作成やチェックに伴う人的負担に課題を感じていました。また、部署ごとに同一書類を作成したり、それぞれ異なるシステムを利用することによる業務効率低下にも直面していました。
これらを解決するために、新システム導入を検討。最終的に、内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)の建設・工事業ERPシステム「PROCES.S」を選びました。導入後はペーパーレス化が進み、システムで各部署が情報を共有できるように。書類作成の負担が大幅に軽減され、現場管理者の移動や経理書類の印刷コストなどのロスがなくなるなど、生産性向上につながっています。

システム導入の課題と効果

導入前の課題

  • 契約・発注を紙ベースで行っており、控えやコピーなどに伴う書類が膨大だった
  • 記入ミスが起きやすく、複数書類に同じ内容を記載するなどのムダも生じていた
  • 書類のチェックを行う管理職の負担も大きく、チェック待ち書類の停滞が起こっていた
  • 部署ごとに同一書類を作成する、それぞれ異なるソフトを利用するなどのロスがあった

導入後の効果

  • ペーパーレス化が進行し、重複記入がなくなりミスも激減
  • 現場の施工管理者は直行直帰も可能となり、人的移動ロスが低減
  • ワークフローの改善とあわせて書類チェック業務が少なくなり、管理職の負担が軽減
  • ネットワーク上で情報共有がされ、書類確認を能動的に行えるように

導入の背景

紙ベースの業務に伴うミスが発生
システムが部署ごとに異なりムダも多かった

PROCES.Sを導入しようと思った背景を教えてください。

2020年7月に、「10年後の会社をイメージする」をテーマに、業務改善プロジェクトを立ち上げました。各部署での業務の洗い出しを徹底的に行い、業務の見直しと改善を図ることになったんです。

当時の大きな課題が、契約・発注といった業務のすべてを紙ベースで行っていたこと。控えのコピーなどで単純に書類量が膨大でしたし、たくさんの書類に同じ基本情報を何度も記入するので、ミスも起きやすくなっていました。さらに、それをチェックする管理職の負担も大きく、チェック待ちの書類が停滞する状況もありました。現場担当者も帰社して書類作成をする必要があり、移動が負担になっていました。

また当社では、書類の管理が部署ごとに行われ、導入システムもそれぞれ異なっていました。それゆえ、異なる部署で同一の書類を作成したり、複数のソフトを独自ルールで運用したりといったことも起こっていました。

こうした現状のフローを見直し、システムを一本化することが生産性向上につながると考え、新システム導入を検討することになりました。

導入のポイント

多彩な機能が幅広い業務をカバー 
ITS担当者が寄り添い、疑問をすぐに解決してくれた

導入にあたり、複数のシステムを検討されたかと思いますが、とくにどのような点を重視されましたか?

「ペーパーレスにつながること」「重複入力が不要であること」「部署間で情報共有ができること」「承認ワークフローができること」の4点を解決できることが重要項目でした。そのうえで、可能な限り今まで当社が独自に行ってきた運用に適したシステムを導入するために、要求事項を69項目挙げたRFP(提案依頼書)を作成し、各社のシステムで対応できるかを数値化。最終的に4~5社の製品に絞り込みました。

「PROCES.S」を選んだ決め手は何でしたか?

まずは69の要求事項のうち、57項目に対応できること。これは比較した製品の中で最大でした。また、PROCES.Sは多彩なモジュールと機能が搭載され、対応可能な業務がとても多かったのです。当社では、なるべくカスタマイズをせず、システムに合わせて業務を改善していくべきだという考えがあったため、導入の決め手の1つになりました。

もう一つは、プレゼンの質でした。ITS担当者は意欲的で、説明がとてもわかりやすかったですし、システムが拡張できるPROCES.Sの将来性や、メンテナンスへの柔軟な姿勢などに期待を持てました。プレゼンに参加した約30名のメンバーも、「ITSなら信頼できる」と感じたようでした。

以上からPROCES.S導入の方向性が固まったのですが、予算の関係上なかなか承認に至らない状態がしばらく続きました。その間も、コストダウンの提案や補助金の情報など、さまざまな角度からITSに力添えをしてもらい、導入へ踏み出すことができました。

PROCES.Sの導入を決めてから運用を開始するまでの流れと、ITSに相談して実現したことを教えてください。

2022年3月の導入決定後、5月にキックオフを行い、1年4か月後の2023年10月に本稼働しました。

ITSのシステム担当者は、約3か月のあいだ週2~3日当社に常駐してくれていたので、システムに関する疑問や相談をスピーディーに解決していただくことができました。素人なので要望の伝え方も不明瞭で説明も拙かったと思いますが、私たちの表現の「一歩先」を理解しようと努めてくれました。ペンディングすることもなく、どんな質問にも必ず回答をいただけるので、ミーティングの予約が社内で取り合いになるほどでしたね。レスポンスがとにかく早いので、満足度が高かったです。


△ 左から、一級建築士事務所 所長​ 村田 真朗様、工事本部 係長​ 辻 エリカ様、
管理部総務課 課長​ 白子 芳久様、建築部建築課 工事長 松田 斉丈様

導入の効果と今後の展開

ペーパーレス化が大きく前進し、ミスやロスも削減 
業務への姿勢に変化も

実際にPROCES.Sの運用を始められて感じたことや、得られた成果について教えてください。

PROCES.S導入後、書類を大幅に削減できました。管理部で「プリンタがあまり稼働していない」という声が出るほど、ペーパーレス化が大きく進んだと思います。さらに、これまでかかっていた書類記入の時間や、記入ミスの削減にも大きな効果を感じています。以前はミスの修正のために現場から帰社して再作成―というケースもありましたが、今はチェックや書類作成のために帰社する必要もなくなりました。現場へ直行直帰できる点は、とくに現場担当者の業務改善につながっていると感じます。

また、PROCES.Sの運用開始前に、ワークフロー経路や帳票類の変更を行うなど、業務改善へ向けた取り組みを行っていたこともあり、業務に対する姿勢の変化も見られました。たとえば、「書類が提出されるのを待って確認する」というスタイルから、「自分でシステムにある内容を確認しにいく」という考え方に変わったことで、自分のタイミングやペースで作業を行えるようになりました。管理職の書類チェックの負担も減るなど、数字で表せない部分でも大きな成果を感じています。

ITSの担当者には、どのような印象をお持ちですか?

ITS担当者には、プレゼンから導入まで丁寧かつスピーディーに対応いただき感謝しかありません。とくに、先述した通り導入直後で皆が困っているときに、常駐のうえさまざまな疑問を解決いただいたのは本当にありがたかったですね。ITSの営業担当者から開発担当者への引継ぎもスムーズで、導入後のギャップがまったくなく、チームとして信頼することができました。

今後、PROCES.Sをどのように活用していきたいですか?

導入してまだ半年で、PROCES.Sをフルに活用できていないので、より業務がスリム化できるよう、立場や部署ごとでの活用方法を探っていきたいと思います。業務改善プロジェクトの取り組みの1つとして行われたシステム導入ですが、このプロジェクトはもともと「10年後」に的を定めてスタートしたもの。PROCES.Sは、将来的に長く使えるソフトだと思います。もっと生産性を高められるように活用していきたいですね。

成功へと導いた導入ツール

建設ITNAVI 内田洋行ITソリューションズ
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