日本体育施設株式会社様
- 事業内容
- 各種競技場、学校校庭、公園・歩道、インドア施設等の施工管理等
各種競技場、学校校庭、公園等の芝生管理・維持管理 - 設立
- 昭和46年5月(1971年)
- 資本金
- 4,350万円
- 社員数
- 121名
- 本社所在地
- 東京都中野区東中野3-20-10
システム導入の課題
課題
- 部門毎、業務毎に個別に管理している状況の改善
- 情報集計作業の手間
- 通常工事と維持管理業務の実績把握
- 決算予想数字の精度向上
導入の背景
各部門で個別管理している情報の統合により経営判断に必要な情報を正しく収集し、決算予想値と決算結果の差異の改善を目指す
『サーバー更新や保守切れなど外部環境の影響を受けないシステム運用を可能に』
日本体育施設株式会社様は、1971年の創業以来、『スポーツ・レクリエーション施設の建設を通じて健康な社会の発展に貢献する』という経営理念のもと、「使う人、管理する人・・・・いつも人の側から発想し、最善のグラウンドコンディションを創る」ことを目標に、各種競技場やグラウンドの施工管理、校庭・公園の芝生管理などを主な事業とされている建設会社様です。
▲日本体育施設株式会社 取締役 技術本部 部長 田中 孝二 様
経理業務はオフコンで処理されていましたが、営業案件管理や工事管理は個別のExcelで管理されていました。
その為、それぞれの業務で情報がバラバラに管理され、同じような情報を別々の部門で両方とも入力して管理している状況でした。
当社からのご提案は、お客様のご要望に合わせて構築可能な全社規模のトータルシステムPROCES.Sの導入です。
各部門で個別管理している情報の統合により経営判断に必要な情報を正しく収集し、決算予想値と決算結果の差異の改善を目指しました。
旧システム全体図
経理業務はオフコンで処理していたが、営業案件管理や工事管理は個別のExcelで管理していた。
その為、それぞれの業務で情報がバラバラに管理されている、同じような情報を別々の部門で両方とも入力して管理している状況になっていた。
業務課題
各部門で個別管理している情報の統合
部門毎、業務毎に個別に管理している状況の改善
今までは、経理に関わる業務のみオフコンで管理していた為、営業案件や工事に関わる業務は個別にExcelなどで管理していた。
その為、それぞれの業務や部門で共通で管理する情報は、それぞれ同じ情報を入力して2重で管理しているような状態になっていた。
情報集計作業の手間
今までは、各支店・部署の案件情報や工事情報を所属長が取り纏め月1回本社に報告して、本社総務グループが集計して役員会議資料を作成していた為、集計作業に非常に手間がかかるだけでなく、各支店・部署の数字が月1回しか正しく把握できなかった。
決算予想値と決算結果の差異の改善
通常工事と維持管理業務の実績把握
今までのシステムは、通常工事と維持管理業務(公園管理など)を区別して実績把握できない為、利益を出しているのがどちらなのか、どの部門なのかといった経営判断に必要な情報が正しく収集できない。
決算予想数字の精度向上
今までは、今後発生する予定の原価や決算日近辺で完成予定の工事が実際に完成するか繰越工事となるかといった情報精度が高くなかった為、予想していた数字と実際の決算数字と差異が発生してしまう原因となっていた。
導入のポイント
各部門で個別管理している情報の統合
前述の当社業務課題である各部門で個別管理している情報の統合を実現することで、現在の業務、部門で分断されているシステムから一貫した管理ができる一体型のシステムに変更する。
決算予想値と決算結果の差異の改善
前述の当社業務課題である決算予想値と決算結果の差異を解消することで予測値と決算数字の誤差を少なくし、期中でも精度の高い予測数値を基に経営会議を行えるようにする。
採用するシステムが当社業務に適合していること
今までのシステムが足りない部分を都度カスタマイズして構築していった為、ツギハギのような形になってしまい各機能で整合性も取れないような状態になってしまった。
新システムはそういったことがないように出来るだけ標準機能が当社業務に適合しているものを採用する。
将来的なシステム拡張にも柔軟に対応できること
今回のシステム入替は、今まで本社総務グループしか利用してこなかったオフコンからパッケージシステム変更することで、今までよりもシステム利用範囲を拡大したいと考えていた。
ただし、いきなり大幅に拡大するのではなく徐々に拡大していく予定の為、今回導入したシステムに容易に機能追加などができることが望ましい。
他社との比較検討によるPROCES.S選定理由
O | A | 当社 | |
---|---|---|---|
パッケージ 適合率 | △ 建設業向けテンプレート適用だった為、標準のパッケージは適合率が高くない。 | 〇 建設業向けパッケージだった為、適合率は高い方だったが、一部機能に不足があった。 | ◎ 建設業向けパッケージであり当社業務に高い適合率があった |
導入社数 | 〇 純粋な建設業の社数は不明だが、非常に多くの会社に導入されている | 〇 多くの建設業に導入されているが、企業規模が当社より小さいのが気になる | 〇 導入している規模は当社と同等の会社が多いが、全体の社数としては他2社より少ない |
企業規模 | ◎ 東証1部に上場している | △ 他2社と比べると企業規模に若干不安がある | 〇 親会社が東証1部に上場している |
価格 | △ 当社の個別要望に対して運用による標準機能での対応提案がなく、カスタマイズ費用が多くなり、一番高額の価格となっていた | ◎ 価格としては一番安価だったが、当社個別要望に対して標準機能で対応する想定で、今後の打合せにより金額が大きく変動する可能性があった | 〇 価格は中間だったが、当社個別要望に対して運用対応と必要最低限のカスタマイズを想定しており、今後の打合せでも大きく金額が増減しないと判断した |
クラウド実績 【参考】 | × 提案製品でのクラウドサービスは提供していない | △ クラウドサービスがあると言っていたが実績が無い | 〇 実績があり、提供開始もA社より早い |
最終的にA社と内田洋行ITソリューションズとの比較となり、金額だけで判断すればA社の方が安価であったが、当社と同規模の会社への導入実績や会社規模、最終的にはプレゼンを行った時の印象を重視して内田洋行ITソリューションズと契約を締結することにした。
システムの構成
導入システムの全体イメージ
導入時の留意事項
- パッケージの基本思想を崩さないカスタマイズの実現(費用対効果を判断して対象を決定)
- システムを有効活用する為に社内業務プロセスの見直しを実施
- Fit&Gap工程での対象業務の現場責任者の出席
- 要求定義段階での緻密な意思疎通と実施判断の(当社内)早期決断
- 分かりづらかったマスタコード(科目、取引先など)体系の見直し
- 部門別の損益を把握する為の部門コード体系の精査
- 旧システムからの残高移行作業の確実な実施
- 参加メンバーからの質問票を収集し、不明点や疑問点の消込を実施
導入までの苦労点
社内要望の取り纏め
今までExcel等のシステム外で管理していた業務をシステム化するだけでなく、システムに携わっていなかった者にも業務負荷の平準化と、よりリアルタイム性を重視する為に入力を行わせることにした。
その為、Fit&Gap工程でシステム選定時に想定していなかった要望が多くあがってきた。
要望全てをカスタマイズしては予定コストを超過する為、費用対効果を考慮した必要最低限のカスタマイズを行い、その他の要望は稼働してからの判断で決定することとした。
内田洋行ITソリューションズからの意見も取り入れて適正な判断が出来たが、各方面の担当者への説明や調整に苦労した。
経営管理資料の集計方法
今までは、各拠点でExcelで作成した資料を本社で集計して経営会議資料を作成していた。
システム変更に伴い、入力された情報がリアルタイムに更新・集計されるようになるが、今までは人の判断で手を加えて集計されていた。
その為、集計作業に時間がかかってしまっていたので、システム導入により課題解決を行うことにしたが、人の判断に任せていた部分をシステムに合わせるよう、社内で統一したルールで行う必要があった。
人や拠点によって考え方にバラつきがあった為、統一ルール策定に苦労した。
テスト工程での疑問点・不明点の解消
Fit&Gap工程でも新システムに関して様々な意見が出て、運用方法を決定したが実際のテストを開始した段階で、想定していなかった場合などのイレギュラーな対応等に関する疑問や不明点が入力担当者達からあがってきた。
質問者に対して個別に回答してしまうと、似た内容を何度も内田洋行ITソリューションズに確認する、まだ同様の場合の処理に関して気付いていない担当者がいる等の懸念事項があった。
その為、導入担当者である経理グループのチームリーダーが社内からあがってきた内容を取り纏め、内田洋行ITソリューションズに質問し、回答を全員で共有する形とした。
既存システムのデータ移行
旧システム(オフコン)から取引先等のマスタ情報と決算データをデータ移行することになっており、既存ベンダーと内田洋行ITソリューションズと当社でデータ移行の打合せを行っていたが、既存ベンダーのシステム開発元の担当者がデータ移行実施前に対応できなくなってしまった。
既存ベンダーにシステムの詳細な内容がわかる方が居なかった為、再度のデータ移行に関する打合せの実施や本番データ移行前のテストを入念に行うことになった。
結果としては、期日が決まっている中でチェックや移行テストなど苦労したが無事に移行できた。
導入の効果と今後の展望
導入効果
通常工事と指定管理業務の実績把握
部門毎の数字が把握できるようになったことで、通常工事を行っている部門と指定管理業務を行っている部門の数字を分けて把握できるようになった。
決算予想数字の精度向上
まだ改善の余地は十分にあるが、新しく決めたルールに沿って拠点からも随時情報が上がってくるようになったので、情報の精度が向上した。
今後は現在よりも運用を浸透させることで更なる改善を図っていきたい。
情報集計作業の手間削減
まだ改善の余地があるが、システムに登録された情報を基に資料の作成や確認を行えるようになったことで、集計作業の手間が削減された。
今後は、登録された情報を更に活用できるようにルール作りや必要があればカスタマイズをしたい。
まだシステム入替前の課題に対して全て満足できるレベルで改善できていない部分はあるが、徐々に改善効果は出てきている。
まだ導入して1年経過したばかりなので、今後も内田洋行ITソリューションズに協力してもらい更なる改善を行っていく予定です。
今後の展望
システム利用範囲(利用者・機能)拡大
今月で稼働から1年を迎え、順調に稼働していく中で利用者からあがってきた要望事項や導入当初のカスタマイズを見送った内容に対して再度の精査を行い、利用ライセンスの追加、パッケージ機能追加、カスタマイズを行っていく。
経営会議資料の精査
ユーザーがデータ抽出・加工・分析ができるようになり、経営会議資料としても活用してきたが、数字の根拠資料を見直すなど更なる有効活用を目指す。
こちらから提示するだけでなく、各役員が自ら数字を確認する文化を目指す。
他拠点・新卒への情報継承
今回の導入プロジェクトで取り決めた内容や運用ルール、操作方法など現在利用していない担当者だけでなく、新たに採用した者へも継承していく。
最終的に特定の者でないとわからない業務を撲滅する。
アメーバ経営の支援
当社が目指すアメーバ経営を支援するシステムとなるよう精査し続ける。
※掲載内容は取材時点のものです。