株式会社北立
- 事業内容
- アスファルト舗装工事、土木等建設工事、農業基盤整備等
- 設立
- 1972年3月18日
- 資本金
- 4,950万円
- 社員数
- 61名(契約社員を含む)
- 本社所在地
- 北海道岩見沢市1条東15丁目2番地
- Webサイト
- http://www.hokuritu.jp/
株式会社北立は1972年に道路舗装会社として発足。北海道・空知エリアの中核都市である岩見沢市に本社を構え、十勝エリアの浦幌町にも事業所を置いています。総合建設企業として、アスファルト舗装のほか、土木、農業基盤整備など多様な工事に対応し、多いときには一晩で1m以上積雪するこの地域の交通インフラを守るため、除雪・運搬排雪なども請け負っています。
△ 株式会社北立社屋
とくに強みを持っているのは、創業以来の主力事業である舗装工事。道路舗装はミリ単位の正確性が要求される工事で難易度が高いうえ、北海道では路盤が凍結・膨張して盛り上がる「凍上(とうじょう)」と呼ばれる現象を抑えなければなりません。同社は長年蓄積してきたノウハウを生かし、確かな施工を実現。一般の建設会社では難しい特殊な工種・工法にも対応し、地域になくてはならない企業となっています。
△ 左:北海道空知総合振興局発注 岩見沢三笠線舗装(特)工事外(道債)舗装工事
右:北海道空知総合振興局発注 経営体砂浜東第2地区42工区_農業土木単独工事
△ 左:北海道空知総合振興局発注 経営体西川南地区_農業土木JV工事
右:十勝総合振興局発注 直別共栄線道単舗装工事(構造改良)(道債)舗装工事
社内で構築したMicrosoft Accessのシステムを使用していた株式会社北立(以下、北立)は、事務所でしか入力ができないことや、経理業務の負担の大きさなどに課題を感じていました。クラウド化で社員みんながアクセスできること、カスタマイズで従来のシステムに近い使用感を実現できることから、内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)の建設・工事業ERPシステム「PROCES.S」の導入を決めました。その結果、経理業務の負担が半減したのをはじめ、社員一人ひとりの業務負担が減り、生産性が向上しました。
システム導入の課題と効果
導入前の課題
- Microsoft Accessで構築した手作りのシステムを20年運用し、管理が負担に
- 経理業務はアナログで担当者の業務負担が大きく、ミスも頻発
- 現場の社員が、システム入力だけのために会社に立ち寄る必要があった
導入後の効果
- ワンクリックで帳票作成ができ、経理の作業時間が半分以下に
- 現場が入力→経理がチェックの流れでミスも減少
- クラウド化で、入力に伴う無駄な移動が減少
- 社員一人ひとりの業務負担が減り、会社全体の生産性も向上
導入の背景
現場社員が入力のために帰社 経理担当者の負担も大きかった
業務システムを新しく導入しようと思った背景を教えてください。
当社では、製品としての業務システムを入れた実績がありませんでした。使用していたのは、当時、総務部長の宮谷がMicrosoft Accessで構築した手作りのシステム。会計や原価管理を含め、そのシステムで20年近く対応していたのです。その間、OSやAccessのアップグレードに合わせてシステムに手を加える必要がありました。システムメンテナンスは宮谷が一手に引き受けており、業務が属人化していたのも悩みでした。そんなとき、たまたま内田洋行ITソリューションズ(以下ITS)の担当者が営業に来てくれて、新システム導入を検討しはじめたのです。
以前のシステムを使っていたとき、どのような問題が起こっていましたか。
経理業務はアナログの部分が多く、担当者の負担が大きいという課題がありました。建築資材購入など、現場で経費が発生した場合、相手先から発行される納品書を月末にまとめて経理に送付。それを経理の中村が一件ずつ請求書と突き合わせながら、会計伝票を作成していました。「請求書が来ているのに納品書がない」「金額や項目が間違っている」ということもしばしばでした。
また、システムへの日報入力は会社のPCでしかできなかったため、現場の社員が入力のために事務所に立ち寄ることが少なくありませんでした。これだけクラウドが発達している世の中なのに、直行や直帰ができない状況だったのです。
△(左)(左)常務取締役 宮谷 征吾 様
(右)総務係長 中村 恵 様
導入のポイント
以前のシステムに近い使用感のままクラウド化できる柔軟性が決め手に
「PROCES.S」を選んだ決め手はなんでしたか?
やはりいちばんは、クラウドに対応しているという点でした。場所を問わず、社員みんながアクセスできるのはもちろん、柔軟にカスタマイズできる点が魅力でした。20年近く動かしてきたAccessのシステムに近いものにしてほしいという当社の希望も、ITSなら対応してもらえそうなのもポイントでした。
PROCES.Sの導入を決めてから運用を開始するまでの流れと、ITSに相談して実現したことを教えてください。
導入決定が2018年の末で、そこから1年半ほどかけてじっくりシステムを構築していきました。ITSの担当者と何度も打ち合わせを行い、日報入力のしくみや、各種帳票の体裁など、細かい点まで詰めていきました。
課題のひとつだった経理業務については、現場社員がシステムに直接経費などを入力できるしくみになるよう、ITSに依頼しました。経費が発生するたびに、担当した現場社員が内容を入力すれば、システムを介して経理に共有され、伝票の起票までできるようになりました。
導入の効果と今後の展開
業務効率化で社員それぞれの負担軽減 経理の作業時間は半分以下に
PROCES.Sの運用開始は2020年6月でしたが、導入後の成果はいかがでしょうか。
最初は社員数人に操作方法をマスターしてもらい、それを現場で広めてもらうスタイルで周知していきました。最初はシステムに慣れていないので、操作につまずくことも多かったのですが、ITSの担当者に即座に対応してもらえました。夜遅くまで付き合ってもらうこともありました。
成果としては、やはり経理部門の手間が省けたのが大きいと思います。ワンクリックで様々な帳票が作成できるので、作業時間は以前の半分以下に。経費は現場担当者が入力し、経理担当者がチェックをする流れになり、ミスも大幅に減りました。銀行振込も、以前は振込依頼書を作成してドットプリンターで印刷する流れでしたが、いまはデータをCSV出力してネットバンキングで処理が完了。不備があればシステム上でアラートが出るので、すぐに対応できます。
クラウド化が実現したため、現場社員もシステム入力だけのために事務所に立ち寄るケースがほとんどなくなりました。移動のためのガソリン代や人件費が減ったのはもちろんですが、社員たち本人の負担がぐっと軽くなったのは大きな成果でした。
「PROCES.S」導入で、業務効率がアップしたのですね。
PROCES.Sのおかげで一人ひとりの業務負担が減り、別の仕事ができるようになりました。会社全体の生産性が上がり、システム導入の費用対効果は非常に大きいと思います。また、今後導入されるインボイス(適格請求書保存方式)など、法制度の変化にもしっかり対応しているのもPROCES.Sの良さですね。以前のシステムでは更新の業務負担が大きすぎて、対応が困難だったと思います。
ITSの担当者には、どのような印象をお持ちですか。
まさにシステムをどうしようかと思案していたとき、ITSの担当者が飛び込みで営業に来てくれたので、ご縁を感じています。最初に話したときから馬が合って、とても良くしてもらっていますし、導入後も絶妙なタイミングで顔を出してくれるので、わからないことをすぐ聞けるのは心強いです。
ITSの担当者には、どのような印象をお持ちですか。
PROCES.Sは優秀なシステムで、機能がとても多彩ですが、決算など1年に何回も使用しない機能もあり、まだまだ活用しきれていないのが現状です。せっかく導入したので、以前のシステムと同じことをするだけでは意味がありません。社員一人ひとりが理解を深め、「PROCES.Sのプロ」になってさまざまな機能を使いこなしていきたいですね。また、在宅でできる業務を増やしてテレワークに対応するなど、さらなる業務効率化を図りたいと考えています。
※掲載内容は取材時点のものです。