経理業務は大幅削減、帳票作成も現場で完結PROCES.S導入で現場のコスト意識も高まった

  • 黒須建設株式会社
総合建設業

黒須建設株式会社

事業内容
総合建設業/不動産業
設立
1948年12月
資本金
1億円
社員数
37名
本社所在地
東京都八王子市元横山町1-29-12
Webサイト
http://www.kurosu-kensetsu.co.jp/

1943年に創業し、東京都八王子市を拠点に80年の長きに渡って歩みを進めてきた黒須建設株式会社。道路や橋梁、河川の整備など土木を主体に、公共施設などの建築を含めた総合建設業として事業を展開している。土地や建物の賃貸物件を所有する不動産業としての側面もある。

強みは、八王子市を中心とした多摩地域に根ざし、高い技術力を生かした施工を行っていること。2020年の富士森公園陸上競技場施設改修工事では、土木部と建築部が一体となってハイクオリティな施工を実現した。また、国史跡の八王子城跡にある曳橋(ひきはし)架替えなど、歴史的建造物の改修を手掛けたことも。堅実性に重点を置いた経営方針のもと、地域からの信頼を得て多彩な施工を行っている。


左:富士森公園陸上競技場施設改修工事
中:国史跡八王子城跡曳橋架替工事
右:八王子市中心市街地の活性化を目指す中町プロジェクト

黒須建設株式会社は、工事データと会計データが紐づいていないことによる入力の手間や、本社端末でしか業務システムが操作できないことに課題を感じていました。長年の信頼関係があることや、カスタマイズにも対応できることから内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)の建設・工事業ERPシステム「PROCES.S」の導入を決定。その結果、経理業務が大幅に削減されたほか、現場で完結できる業務が増えたり、現場社員のコスト意識が向上するなどの効果を得ています。

システム導入の課題と効果

導入前の課題

  • PCの更新のたびに業務ソフトもダウンロードしなおす手間があった
  • 工事データと会計データが紐づいておらず、二重入力が発生
  • システム入力は本社端末でのみ可能 現場社員が都度出社する必要があった

導入後の効果

  • 経理業務が大幅に削減 支払い処理にかかる時間も半分に
  • 帳票作成など、現場で完結できる業務が増え、本社に出向く必要がなくなった
  • 工事台帳などの情報共有が容易になり、現場社員のコスト意識も向上
  • PROCES.S導入をきっかけに手書き業務をなくすなど、副次的効果も

導入の背景

同じデータを二重に入力する手間が発生 本社でしかシステムを操作できない課題も

PROCES.Sを導入しようと思った背景を教えてください。

ITSの前身である「静岡ユーザック」と2004年からお付き合いがあって、業務システムソフトを導入していました。業務用のPCはOSのバージョンアップ・サポート終了に合わせて新しいものに変える必要があり、そのたびにDVDでバックアップを取って、業務ソフトをダウンロードしなおす必要がありました。業務上の課題もあったので、良いクラウドシステムがないかと、ITSの担当者に相談させてもらいました。

具体的には、どのような問題が起こっていましたか。

会計データと工事データを紐づけていなかったので、「二重入力」が発生していました。それらをもとに支払いをするときも、経理が手作業で支払票を起こすなど、二重・三重の手間がかかっていました。

また、本社にある端末でしかシステムを操作できなかったので、現場では何もできない状態。社員が注文書をつくるときも、いちいち本社に来て作成しなければならず、業務のムダがありました。

導入のポイント

ITSとの長年の信頼関係が導入の決め手に カスタマイズ可能な点も好感

「PROCES.S」を選んだ決め手は何でしたか?

ITSとの長年の信頼関係です。業務システムはそれなりの予算がかかりますし、信頼関係が築けていない業者のものを導入する気にはなれません。その点、ITSの担当者は気心が知れていて、親身になって対応してくれる。「この人を信じて導入しようよ」と、最初からPROCES.S一択でしたね。

PROCES.Sは汎用性が高く、柔軟にカスタマイズしてもらえる点も決め手になりました。当社は帳票に独自の仕様を定めているなど、細かい点でのシステムのカスタマイズが必要。そんな「わがまま」を聞いてくれる会社は、ITS以外にはないと思います。

PROCES.Sの導入を決めてから運用を開始するまでの流れと、ITSに相談して実現したことを教えてください。

最初の打ち合わせをしたのが2019年の初めの頃で、そこから1年ほどかけて準備を進め、2020年4月に導入しました。当社からは、3人のメンバーが作業に加わりましたが、当初はうまくいくか不安がありました。ITSの担当者が、壁に当たるたびに解決案を出してくれたので、工程表通りに導入を進めることができました。

例えば、注文書の捺印欄。PROCES.Sの仕様では通常3つですが、それでは足りないので、一旦Excelに出力して枠を増やすことで解決できました。また、PROCES.Sに打ち込んだ内容を、当社が採用している別の財務会計ソフトに連携させることもできました。

黒須建設ご担当者様
△(左)取締役 建築部長 田村 博之 様
  (右)総務部 経理課 課長 松村 和史 様

導入の効果と今後の展開

経理業務が大幅削減 現場社員のコスト意識が向上するメリットも

実際にPROCES.Sの運用を始められてみて、いかがでしたか。

カスタマイズのおかげで以前とまったく同じ見た目の書類が出力されるので、社員の心理的な抵抗が少なかったと思います。

導入時は、営業、建築、総務など、部門ごとの担当者への説明会を実施。マニュアルもITSに作成してもらったので助かりました。重要なところに赤い枠をつけてくれたり、番号を振って作業手順を誰でもわかりやすいようにしてくれたのは良かったです。今でもわからないことがあれば参照していますよ。

PROCES.S導入後の成果はいかがでしょうか。

導入で最も大きな変化があったのが経理部門の業務です。会計データと工事データがリンクすることで、懸案だった二重入力がなくなりました。これまで、お取引先からの請求書をとりまとめて支払いをするまでに半月はかかっていましたが、いまは1週間ほどに短縮。社員1人分くらいの業務が削減されました。

クラウド化したことで、帳票作成など多くのことを現場で完結できるようになったのも大きいですね。今まで本社でしか作成できなかった注文書も、どこでもつくれるようになりました。

現場との情報共有もしやすくなりました。以前はこちらで出力した資料をFAXで送って電話で話す形でしたが、いまは同じ資料をPROCES.S上でリアルタイムで見ながら会話ができます。工事台帳もPROCES.Sで見られるので、「原価はこれくらい」とか「これだけ予算を使っている」などを把握でき、現場社員のコスト意識も高まりました。

当社は長い歴史を持っていることもあり、やや変化を恐れていた部分がありました。PROCES.S導入がきっかけになって、それを打破できたと思っています。請求書の発行など、一部に残っていた手作業もこれを機にシステムに組み込むことができました。

ITSの担当者には、どのような印象をお持ちですか。

「同志」「戦友」という言葉がぴったりですね。建設業界のこと、経理のことをよく理解してくれているので、的確な提案を出してもらえます。そして、ただ製品を売るのではなく、顧客の気持ちを考えて細かいところまでアフターフォローをする姿勢に好感を持っています。

今後、PROCES.Sをどのように活用していきたいですか。

今回、当社の従来のしくみに合わせてPROCES.Sをかなりカスタマイズしてもらいました。おかげで社員も使い慣れてきたのですが、カスタマイズしているためにまだ活用できていない機能もあります。これからは、帳票の様式や業務フローなどを見直し、進化していくPROCES.Sの機能をフルに活用していきたいと思っています。

今は別のシステムを使っている財務会計などについても、将来的にPROCES.Sに一本化したいですね。社内の業務にはまだまだアナログな部分があるので、さらに業務効率化に取り組んでいきます。

※掲載内容は取材時点のものです。

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